まだ構築中

水槽のライフサイクル

水槽を立ち上げた時から、水質や底床環境などが徐々に変化していく。その変化速度やメンテナンスの有無などで、早ければ半年で環境崩壊するし、大抵は1年半とか、あるいはもっとずっと長い寿命を持つこともある。

 

ソイルを使った水草水槽だと、水槽内に何を入れるかとか管理手法などでケースバイケースにはなるけれど、おおよそ以下のようなライフサイクルになるはずだ。

 

1.立ち上げ期

十分に硝化バクテリアが繁殖して最低限の安定を手に入れるまで。

以前から使っているフィルターなどを使うのか、まったく新たに構築するのかで期間は大きく異なるけれど、長くても1ヶ月半程度のハズ。

立ち上げ期は、ソイルからの養分の溶出量も多いし、水草も十分に根を張って茂っていないので、コケに見舞われやすい。

珪藻黒ヒゲ緑藻。特に珪藻はセットして数週間で出始めて1ヶ月くらい出続けることも多い。...殆ど出ないということもあるけれど。

ヤマトヌマエビを大量投入してコケを取りたいところだけど、水質が安定していないで☆になるやつもかなり出てくる。

これを防ごうと思ったら、セット初期に集中的に換水を行うか、あるいはセット前にソイルを予め水を張ったバケツに入れて数日おきに何度も水を入れ替えて、最初に溶出しやすい分の養分を取り去っておくとか... このあたりはそのうちにまとめて書きます。

2.ソイル効果の持続期

ソイルの持っているKHを落としてpHを下げて弱酸性を維持する効果、ソイルの栄養分が効いていて、水草が元気に茂り続ける時期。トリミングしたロタラが2週間掛からないで水面に付いちゃうとか、グロッソが数週間で1段分厚みが付いちゃうとか。トリミングが忙しいけれど基本的にハッピーな時期。

3.ソイルの効果切れが見えてくる時期

早くて2ヶ月掛からないで、遅くて半年くらいでやってくる。弱酸性の維持効果が薄れてきて、ゆっくりとKH、pHが上昇し始める。ソイルの栄養分も切れてくる。
軟水が好きな水草は調子があがらなくなってきたりするけれど、ある程度硬度が無いとダメな水草は急に元気になりはじめたりする。

底床の肥料切れで、グロッソの成長が急に減速してきたり。

環境変化の折り返し点なので、急にコケに見舞われることもある。

4.安定期

数ヶ月〜半年くらい経つと、ソイルの間にカイミジンコとかいろいろな底生微生物も出てきて生物相も豊かになって、水槽が極めて安定した時期になってくる。底床環境が豊かになっていると、比較的上手く進むことが多い(と思う)。きっと水草の栄養吸収になんらか関係しているのだろうね。よく分からないけど。陸上植物の場合だと菌根菌との共生とかいろいろ情報があるけれど、水槽の中のことだとよく分からない。

底床の栄養はほぼ切れかかっているので頻繁な追肥が必要になったり、場合によってはピートモスをフィルターに入れるなどして水質調整も必要になるが、よほど極端ないじり方をしなければ、水槽環境は極めて安定していているので、急にコケだらけのような酷いことになったりはしなくなる。こなれた環境を好む水草...クリプトコリネとかがよく育つようになる。

5.老熟期

蓄積した老廃物から出る硝酸、リン酸、カルボン酸類...などの影響で、またKH、pHが下がるようになる。水換えしてもスグにKHゼロになってしまうとか。

ソイルの団粒構造が壊れ泥化が進んだり、そうでなくてもソイルの間に汚れが蓄積したりして、底床の通水性が悪くなる。ただ、泥を好む、あるいは泥化に強い水草は底床の肥料分さえ豊富なら、むしろ元気に育ちだす。例えばヘアーグラスとか。
ソイルはリンを強力に吸着固定化してしまうので、セット初期はリン不足になりがちだけど、このころになるとむしろリン過剰で黒ヒゲがいっきに広がったりする。

6.崩壊期

底床の泥化が進み完全な嫌気域が広がってしまうと、ソイルの硫黄分がもとで猛毒の硫化水素を出し始めたりする。
こうなると、水草の根がやられはじめる。

...根張りがとても良い水草を入れておくと、根が底床に酸素を送るので、嫌気化を防ぐ効果があったりもするのだけど...。
泥化したソイルの中に黒い...濃い灰色の部分が現れたりしていれば、おそらくはもう完全に末期。
底床をいじると硫化水素が一気に出てきたりして、魚やエビが危険な状態になるので、もういじらないで、早急なリセットの準備を始める。
それまで、水草の出す酸素が豊富でエアレの必要性がなかった水槽でも、ここまで来たら、24時間エアレをして曝気し毒ガスが蓄積しないようにする。

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