オークロ
オーストラリアンウォータークローバー、オーストラリアドワーフヒドロコティレ、オーストラリアチドメグサ…いろいろな呼び方があるけど、日本のチドメグサの近縁種。セリ科。
これは水質の適応範囲も水温の適応範囲も広くて強い、CO2を入れなくてもけっこう育つ、基本的には光が好きだけど、ちょっとくらい暗いところに突っ込んでも溶けたりしない...
丈夫で良い水草です。
クローバー型の葉っぱがカワイイしね。
私としては、レイアウト面でもとても貴重というか他のでは代えがたい魅力があると思っています。
こういうフワっと浮いた姿の水草ってあまりないじゃないですか。
低く密生させると前景草代わりになるし、
中景あたりに植えると、前景にフワっと浮きながら進出してきたり、後景草に自然に絡まって這い上がって行ったり...
いろいろなところの繋ぎになりますよね。
こいつの最大の弱点は...もしかしてうちだけなのかもしれないけど、一部の魚がやたらと好きで葉っぱをバリバリ喰っちゃうってことです。
特にラミーノーズが大好きで、ラミーノーズの泳層で開けたところにこれを植えると、あっという間に茎だけ・ランナーだけになっちゃいます。
それと肥料不足、特にカリが不足気味だと、古い葉がスグに白っぽくなって傷んでいっちゃいます。
大量の水草を植えていて栄養分の消費が多い水槽だと、かなり早くから肥料不足の兆候を示す水草のひとつですね。
それと窒素分が多いとスグに葉が大きくなるし、少ないと小さくなるし、リンがあるとランナーをやたらと出して這い進んで行くし、とにかく施肥の指標になる水草です。
その上、カリ不足はともかく他の肥料分は少ないからと言って簡単にダメになったりしないですし。
葉の大きさについては、肥料分だけじゃなくて光の強さも関係ありそうです。光が強いところに植えたほうが小さくなる傾向がありそう。(?)
グロッソとかキューバとかの前景草の間から、すごく小さいオークロの葉がちょこちょこ出てるのとか、たまらなく魅力的ですね。...上手く写真が撮れないのだけど。
でも、これはもしかしたら、うちの場合はライトが強く当たる前景に植えておくと、丁度ラミーがいつもいるあたりなので、大きくなる葉は食べられちゃう...ってだけのことなのかもしれません。先ほどの写真はラミーが居ない水槽...こちらの水槽の照明はあまり強くない...のものです。
でも、スイレン鉢や水上葉育成箱のオークロの葉は施肥に関係なく小さめですけどね。
キカシグサ(ロタラ)や浮草ばかりが目立ちますが、よく見ると沢山オークロの葉が見えます。
そうそう、こいつはオーストラリア...つまり温帯原産だけあって、冬のスイレン鉢でも越冬可能です。
屋外で水上葉育成していても、育成箱にラップを張るとかガラスで覆うとかってちょっと温室状態にしてやると、真冬でも綺麗な緑を維持してくれます。
近縁種に国産のチドメグサがありますが、こちらは、水上葉の見た目はかなり似ているのですけど、
- オークロよりも水中適応力が低い。CO2豊富なら問題なし。成長も若干遅目。
- 水中葉の切れ込みがオークロよりも少ない。比べるとちょっと丸っこい印象。
- 葉も茎もオークロより、若干固め。色も微かにだけど濃い印象。
このチドメグサは、あまりにオークロがラミーニーズに食べられちゃうので代わりに入れていたことがあるのですけど...今でもちょっとは生き残っているけど...、
まず第一にカワイクないんですよ。ビミョーに。なんとなく印象が硬くて。
実際にラミーノーズはチドメグサの葉っぱは食べなかったですね。
この写真はノチドメの群落...だと思います。