CO2の漏れを防ぐ
頻繁にボンベを交換するのってウンザリですよね。
CO2切れに気が付かないで添加しないでいる期間も出来やすくなるし。そうなると水槽環境が安定しない。
それにそもそも頻繁にボンベを交換するほどに、レギュレーターのパッキンが傷みやすくなるし、配管も動かすことになるから、ますますCO2が漏れやすくなり...っていう悪循環にも陥ります。
適切な添加量の調整も大事だけど、それ以前にCO2が配管のどこかで漏れていないか・そもそも漏れないようにセットして、同じ添加量なら少しでもボンベが持つようにすることが大事ですね。
CO2の漏れのチェックは、よりボンベに近いところから行います。
圧力が高いところでの漏れほど、被害が大きくなるからです。
具体的には、
- ボンベとレギュレーターの間
- レギュレーターとスピコンの間
- スピコン以降
です。
レギュレーターまでで漏れていると被害甚大ですよね。
一次圧がかかっているところだから、かなり短い期間でCO2が切れちゃいます。
ボンベの持ちがやけに悪くなったな...なんて時は、レギュレーターとボンベの接続を真っ先に疑うべきですよね。
レギュレーター付近で漏れているか否かのチェックは、
- 濃い目の石鹸水を塗って、泡が出てくるか否か調べる。
- ミドボンであれば、レギュレータ内に高圧ガスを閉じ込めて一定時間置いて、圧が維持されているか否かチェックする。
って方法がありますね。
後者の場合は、
- レギュレーターの先のチューブなどを外す。
- レギュレーターのバルブを閉める。
- ミドボンのバルブを開けてレギュレーター内にCO2を送る。
- ミドボンのバルブを閉めてレギュレーター内にCO2を閉じ込める。
- 一晩とか一定時間置いておく。
- レギュレーター内の圧が見れるメーターが付いている場合は圧が維持されているか確認する。
メーターが無い場合は、レギュレーターのバルブを開放する。
スピコンや電磁弁付きのレギュレーターの場合は、バルブを開放する前に、電磁弁に通電し、スピコンを開放状態にしてから、レギュレーターのバルブを開放する。
この時にレギュレーター内にCO2が漏れずに圧を保って残っていれば、シュ!とかなり勢い良くガスが排出される。勢い良くガスが排出されない場合・あるいは無音の場合は漏れているということ。
もしレギュレーター関連でガス漏れしている場合は、主に以下の問題が考えられます。
- ボンベとの接続が甘い。...締めが足りない。
- パッキンが傷んでいる。
- レギュレーター自体が壊れている。
小型ボンベでボンベとの接続が甘い...締めが足りない場合は、そのまま増し締めするか、あるいは仕方がないのでガスが切れるまでそのまま使います。
増し締めはパッキンを痛めるのであまりしない方が良いのですけど、かと言って一度緩めるのもガスが勢いよく噴射して、手が凍っちゃう可能性もあってキケンですからね。
それに、そんなことをしたら急冷されてパッキンなども痛むし。しょーがないです。
ミドボンで締めが甘い場合は、ミドボンのバルブを締めて、一度接続を緩めてから、レンチでしっかり締め込みます。
しっかりと言っても、ギュギュっと閉まれば良いわけで、あまり目いっぱい力の限り閉め込んだりするとパッキンをダメにします。
そのまま改めて増し締めしていくとパッキンを痛めることがあるので、一度緩めてから締め直すのが基本です。
これで治らない場合は、パッキンが傷んでいることを疑います。
特に小型ボンベの場合は、頻繁に抜き差しするし、ネジ込みながら押し付けていくので、けっこうパッキンが痛みます。
なので、交換用のパッキンは常に用意しておいたほうが良いですね。
レギュレーター自体が壊れてガス漏れまでするということは、ほとんど無いとは思いますけど、特に圧力計付きのものなどで稀にあるようですね。これはレギュレーターを買い換えるしか無いですね。
レギュレーターより先でのガス漏れは、漏れる量もレギュレーター部分での漏れほど多くはならないことが多いので、なかなか発見しにくわけですが、例えば、スピコンをいじっても流量が変わらないとか、なにもいじってないのにカウンターで確認できる泡の数が減っているとか、そもそもディフューザーから泡が出ていないとか...そんなことがきっかけで「あっ!漏れてるかも!」って気がつくわけですよね。
これは、スピコンなどのワンタッチ継手のパーツと耐圧チューブの接続の問題で起きることが殆どだと思います。
ガス漏れ箇所の発見は、石鹸水などを使って探るわけですが、よく分からないことも多いので、私としては、怪しいところを接続しなおしちゃうってことを優先します。
ワンタッチ継手のところの接続の問題は、
- チューブがまっすぐ綺麗に切れていない。切り口がナナメになっていたり、ガビガビになっていたりする。
- 接続した後で、チューブを回転させる・こじるなどといったかたちで接続部を動かしてしまった。
耐圧チューブの部分を何かと動かしてしまうようなことが多いと漏れの原因になります。
なんてことが原因です。
怪しいところ...それまで漏れていなかったのに、漏れ始めていたとしたら、チューブ全体を動かしたところが原因のことが多いです。
継ぎ手が問題なら、一度、ワンタッチ継手のプッシュリングを押しながらチューブを引き抜きます。
こうしないと、あるいは逆にプッシュリングを引きながらチューブを引いたりすると中のツメがチューブに深く差し込まれてチューブが抜けなくなったりしますから要注意。
チューブが抜けたら、チューブの先を2cmくらい切ります。
できればチューブカッターとかを使って綺麗に切ったほうが良いですけど、ハサミで切ってもひと目で分るくらいナナメになっていたり切口がガビガビになってなきゃ...スパッと切れていれば大丈夫ですね。切り方に自信が無いならチューブカッターを使いましょう。
そして、新しい切り口のチューブを真っ直ぐに継ぎ手に差し込んで終わりです。
他に、漏れやすいところと言えば、バブルカウンターや、あるいはミキサー・リアクターなどと呼ばれているCO2を溶解させる機器にパッキンが使われている場合のパッキンの接合部ですね。
パッキンが傷んでいるとか、ゴミが付いたまま閉めたとか。
こういう場所をいじった後に漏れが出るようなら、そこのパッキンを疑いましょう。
パッキンが傷ついていないなら、パッキンとパッキンが当たる部分を綺麗に洗ってそのまま(なまじ何かで拭いたりしてティッシュとか布の繊維をつけたりしないようにして)締め直しましょう。
最後に、CO2ストーンが酷く汚れて詰まってしまっていることが原因で、CO2がエアチューブなどを接続しているところから漏れていることもあります。
この場合は、ストーンをクリーニングするか交換ですね。
レギュレーターのところが原因の漏れは分かりやすいですけど、その他の場所の僅かな漏れは分かりにくいですよね。
小型ボンベの場合は、ボンベ交換の日付をメモっておいて、次にボンベ交換するまでの期間を把握できるようにしておきましょう。
添加速度・添加時間が一定であるなら、前の時に1ヶ月で74gのボンベが空になったとして、次の時に2週間で空になっていたら、そりゃーおかしいですよね。どっかで漏れてるわけです。
ボンベの充填量は、バラツキもあるらしいですけど、いくらなんでも半分にはならないですよ。
というか、同じメーカーなら大抵2日以内の誤差の期間で空になります。前回が21日間で空になったのなら、次も19〜23日間くらいで空になるはずです。
交換期間が大幅に短くなるようなら、どこかで漏れているって思わないとですね。
修正・お詫び
以下の文章を本文中から削除しました。
もしパッキンの素材が耐油性のものであることが確認できるのであれば、閉め込む時に小型ボンベの先にワセリンを塗っておくってこともねじ込みでパッキンを痛めてしまうことを出来るだけ避けることに...パッキンの寿命をのばすことにつながります。大抵の小型ボンベ用レギュレーターに使われている黒のOリングタイプのものはニトリルゴム製なので問題無いはずですけど、もし耐油性のパッキンじゃない場合は、かえってパッキンを痛めるのでやめたほうが良いですけど。
理由は、黒のOリングにワセリンを塗って使っていたところ、使用中は問題がなかったんですが、Oリングを交換しようとしたところレギュレーターに張り付いて非常に取りづらくなる...無理に剥がしたら、リングが当たる部分に汚れが残ってしまったという経験をしているので、ワセリンを使うのは問題があると判断したからです。
いちおうこの手の工学に詳しいはずの人に意見を聞いた上でやったことなのですけど、ゴムにもワセリンにもいろいろありますからね。素材についてメーカーに直接確認したわけでもないし。