答えは際にあるかも?
2014年11月4日
アクアリウムが趣味として一般化しはじめたのが19世紀半ば。
CO2を使う水草水槽はせいぜい20年ちょっと。
たったそれだけの歴史しか無い。
農業や園芸とは比べ物にならないくらい短い歴史だし、そもそも園芸と比べても市場規模が比べ物にならないくらい小さくてしっかりした研究投資も少ないから知見もなかなか厚みを持っていかない。
だからこそ「余地」が大きいんですよね。
趣味としてやる人が、あれこれ情報を収集し、考え、試行錯誤する余地が。
確立した部分がまだまだ少ないから、面白いのだ!とも言えると思っています。
でもって、アクアリウムの...水草水槽の周辺...植物生理学、生態学、農業、園芸...などで、本当に頻繁に新しい発見があるわけですし、機材なども直近だとLED照明だったりマイクロバブルをつくれるエアレーションとかpHなどの自動制御とか...様々な機材の進化もあって、
とてもじゃないけど「これが100%正解」などと断言できることって無いのですよね。
ほんとうにもう知れば知るほど分からないことが、また山のように出てくるという感じです。
一旦は、水草水槽のプロとか経験豊富な人の言っていることに真摯に耳を傾けて見て実践してみることって大事ですよね。
やっぱり先人の言うことにはそれだけのことがあるものです。
私みたいなアマチュアと違ってプロはこなしている水槽の数や環境のバリエーション数・使っている水草の数も違うので、それだけ多角的な経験があるわけですし。
これを読んでいる人がもし何かしらのプロ・専門家であるとするならば...たとえば医者とかマーケッターとかエンジニアとか法務関係とか金融関係とか... ...の専門家だとしたら、きっと、
「なんだかんだ言われるところがあっても、一度はちゃんとプロの意見に真摯に耳を傾けてみるべきだ。中途半端な勝手解釈で聞くな。」って思っているはずですよね。
例えば、医療の世界なんて突っ込みどころ満載です。(どんな世界でも大抵はそうだけど)
でもだからと言って、怪しげな民間療法とかネットに流布している根拠希薄な情報に頼ったって良いことは無いですね。マーケティングとかだって...広告の世界とか突っ込みどころ満載。それでも、やっぱり一度はちゃんとしたプロの意見は聞いてみるべきだと思いますよ。思い込みでやるよりは遥かに確実な結果を出せるはずです。
でも同時に、専門家故の視野の狭さとか、つい囚われてしまう判断のクセとかがあるのも認めるところですよね。ビジネスだからこそ収益構造の根幹になっていることは壊せなかったりするし、業界の常識とされていることに逆らってまで、わざわざ自らリスクを取りに行くようなアドバイスもしずらい。
水草水槽は趣味でやってるんだから(もちろん中には仕事の人もいるのだろうけど)、何かにとらわれる必要は無いわけです。
だから、一通りはコケも出さず、出しても落ち着いて対応できるようになり、いちおうほぼちゃんと水草を育てられるようになったら、後は自由にやってみたいじゃないですか。
そもそも「余地」がかなり大きいのだから。
まずはもちろん専門家や先人の知恵をもう少しツッコんで調べてみる。
でも、それだけじゃ満足できないですよ。
専門家や先人が決して全ての答えを持っているわけじゃない。
これを読んでいる人が何かしらの分野の専門家であるなら、それも「生き物」とか「社会」とか、そういった複雑極まりないものを扱う分野の専門家ほど、そう思っているはずです。
専門家だからこそ何が分かってないか・本質的に判断不能なのかを分かっている。
そんな時にひとまず眺めて見る価値があるのは、その専門分野の際にある分野ですよね。
だいたい、様々な分野で一流と二流を分けている僅かな差の元が、周辺分野への造詣の違いが土台になっているということはよくあると思うんです。
もちろん、周辺分野のことをよく知っていれば一流ということは無いわけですけど、逆に一流ならほとんど必ず周辺分野のことをよく知っている。
広告の専門家のハズなのに、PRのことや売り場のことや顧客管理のこと、プロダクトマーケのことやデザインのことや... ...などを、とてもちゃんと分かっているとは言えない人は沢山います。
でも一流と言える人は、それらの分野の専門家ほどじゃないにせよ、これらの周辺分野の本質については割とよく理解している。
そういうものです。
さらには、心理学や社会学や経済、政治、企業統治、流通、IT... ...関係するところは沢山ありますよね。こういうことも、ある程度は...ちょっとした話に充分ついていけるくらいには理解していたりもする。
だって、そりゃーそうですよね。
一流ってことは、その他大勢の専門家とは一段上のレイヤーで仕事をするってことであって、そうなれば全体が見えてないとダメですよね。
自分の仕事が、関連分野にどんな影響をあたえるのか分かってないといけないし、クライアントニーズの本質をクライアントの担当者より深く理解しているくらいじゃなきゃならないから。
はなしが逸れ過ぎました。
話を戻して、水草水槽は趣味でやっているからこそ、何かにとらわれずに自由に考えて自由に作りたいじゃないですか。
別にそれで誰かに叱られたりするわけでもないし。
だから自由に考えるために、周辺分野を眺めていると、いろいろ発見があって面白いんですよ。
「ならば、こんなことしてみたらどうなのか?」ってアイデアがいろいろ出てくる。
水草水槽なら、スグお隣には、園芸や農業関連などの分野がありますよね。その先には、植物生理や生態学、土壌、肥料などの分野があります。さらに、その先には化学などもありますし、
そもそもの水槽の水づくりという点では、水処理関連の工学なんかも役に立ちます。魚という点では、養殖漁業関連とかね。
これらのほとんどの分野が日進月歩ですよね。
常に何かしら新しい発見がある。
例えば、ピンポイントの答えを得ようとして、検索する時に、例えば「水槽」とか「水草」とか入れたりしてませんか?
例えば、「水草, 肥料」とかって検索するとか。
それはそれで効率的ですけど、時には「植物, 必須元素」ってやればもっと土台の・幅広い情報が取れますよね。
あるいは、ただ「肥料」って検索するとか。
そうすると、引っかかってくるのは農業や園芸の関連ページばかりかもしれないけど、そこにヒントがあるかもしれない。
ルドウィジアの頂芽が萎縮しているとして、
「ルドウィジア, 頂芽, 萎縮」って検索しないで、
あえて「頂芽, 萎縮」と検索すると、農業関連などでの作物一般での頂芽の萎縮の原因と考えられていることが分かるかもしれない。
そんな感じで、効率を求めて確立した答えを求めようとしないで、あえて探索範囲を広げてみる。
そうすれば、きっといろいろなヒントが転がっているハズです。
でもって、やってみる。
趣味なんだから失敗したって良いじゃないですか。
成功しても失敗してもそれはそれで知見になります。
それも他のアクアリストが持っていない可能性が高い知見です。
そういうのって楽しいと思うのですよね。
「実験好き」だったような人なら、きっと楽しいと思いますよ。
手っ取り早く「インテリアとしての水槽」が欲しいだけの人なら、面倒くさいだけでしょうけど。
でも、そんな種類の人なら、こんなWebサイトは見てないと思うのですよね。
でしょ?
いやホント、「結果だけが欲しい」って人は、こんなサイト見てても良いことは全くないですよ。
さっさとこのサイトを脱出して検索しなおして、もっと何かを単純に「これが良い!」とか断言してくれるような人のサイトに行ったほうが良いです。
私としては、なんでも...特に複雑系に関わるような分野のことについて断言しちゃうような人なところには決して近づかないですけどね。