水草を赤くする
2013.12.29(2014.5.18修正)
以前の水槽では、けっこう赤く色づいていたロタラインディカが、今の水槽ではどうも色づきが悪い。オレンジ色っぽくなってしまう。
たいして環境が違うとも思えないのに、何故なんだろう?ってところから始まってけっこう調べてトライアルしてきたので、そこのところをメモしておきます。
ところで、ルドウィジアスーパーレッドってあるじゃないですか?赤い色を求めているけど、どうも上手くいかないって人にはアレはオススメです。
なぜって、ロタラインディカとかがあまり色づかなかった時の水槽でも、ルドウィジアスーパーレッドだけは、光量の有る無し、肥料分の状態、CO2濃度...などに関わらず常にいつでも真っ赤ですから。
流石に真っ暗闇のところでだけは、ちょっとだけ緑っぽくなりますけどね。
話を戻して、いろいろなアクアリストがブログで書いている事例とか、植物生理学関係の資料とか...そんなこんなを見ていくと、赤く色づかせるのは、
- 光
- 肥料分
- CO2
- pH
- 硬度
ってところですね。
まずは光について。
結論から言うと、光量が非常に重要なわけですが、中でも青の波長の光の量が重要らしいです。相対的な量ってことじゃなくて、単純に青い光がどの程度の量降り注いでいるかですね。
1.強い光で葉が赤くなるのは、紫外線への防衛反応。
(ロタラインディカなどの)紫がかった赤はアントシアニンの色。アントシアニンによって紫外線から守る。
2.紫外線への防衛反応のスイッチを入れるのは、
青い光に反応するセンサーの一つであるクリプトクロム。
ちなみに、うちの照明は、
明るさは、水面直下で30,000lxくらい(底床面で10,000lxくらい)。
色温度は、家庭用のLED電球を使っているので6700kなので、水草水槽用に売られている多くの照明よりも色温度は低め(=比率として青みは少なめ)ですね。最近の水槽用のは9000kとかフツーですからね。
次に肥料分。
よく鉄分が重要だと言われますが、私としてはメネデールに始まり、オリジナルの二価鉄液肥、Fe Energy(固体の方)とか、いろいろ使ってみたりはしているんですよ。
でも、たまに気分で使ってみてただけの...むしろ殆ど使ってないとさえ言える前の水槽の方が遥かに赤が出ているわけです。
たしかにいろいろな事例を見ていると無関係とはとても思えないですけどね。
それよりも、ロタラインディカの根本にアクアフローラを入れた時に...赤くするために入れたつもりはなかったのだけど...その周囲のインディカだけ前の水槽の時くらいに、濃い赤になったことがあります。
だから、肥料分が深く関係しているのだけは間違いないですね。
ちなみに今は、窒素・リンについては0.2-0.1-.01の液肥を底床注射してごまかしていることが多いのですけど、これだと赤くはなりません。ではアクアフローラとこの液肥で何が違うのかというと構成比はともかくどちらも微量元素を殆どカバーするように配合されているので分からないですね〜。微量元素の比率は元の資料がないし。
それと濃い目の赤でも、紫っぽい赤になる時とオレンジがとても濃いという感じの赤になる時がありますが、これは肥料分が関係しているように思われます。...ちゃんと検証できてないですけど。
CO2濃度の影響が非常に大きいってのは確かですね。
(うちは吸水パイプ直添なんだけど)水流が最初に当たるところのロタラインディカは茎までしっかり赤くなるけど、最後に回るところのは茎は薄い黄緑色にしかならないですから。
全体の成長の違いは殆どないのにね。
つまり、がんがんCO2を入れれば全部赤くなる可能性が高いかも。
もっともそんなことをしたらミニボンベは1週間しないで切れちゃうからやらないけど。
...だったんですけど、ミドボンにしたことでキモチに余裕が出来たので、CO2の添加量を10mg/l台から、20mg/l台にしたら、あっさりどんどん色づき始めました。
ずっと以前に色づいていた時の水槽のCO2濃度は、いちばん高い時間でも20mg/lは無かったと思うので、CO2濃度が最優先条件であるとは言えないかもしれませんが...まずは光なんでしょうけど、CO2濃度がかなり重要であるのは間違いありません。
最後にpH, GHなど水質。
ロタラインディカとかはpH、GH、KH低めじゃないと良く色づかないってことを言う人が居ます。実際そうなんでしょう。
例えば鉄などが重要なのだとしたら、pH低めじゃないと水中に存在していられる量も、水草の取り込みやすさもかなり落ちてしまうっていうのは確かですから、リクツにはあってますよね。
水換えの元の水道水のGHが落ちてて気がついたら水槽内のGHもかなり落ちてて、pHなど他の条件はそれほど変化していないのに、そのころはインディカがかなりよく色づいていたなんてこともあります。
おそらく、上にあげたことはみんな正しくて、どれも大事なのでしょう。きっとこれらの組み合わせのバランスなのだと思います。
追記。
昼夜バランス管理もかなり重要です。
水槽のライトが点灯していないけれど、外光で中途半端に明るい時間...水草が葉を開いて光合成を始めてしまう時間が長いと、その時間帯の光も効率的に使おうとするのか(?)、赤色が抜けていくことがあります。
アントシアニンの増加は...赤くなることは...、強すぎる光からの防衛のためと言われていることを考えると、弱い光を活用する時間が出来るとアントシアニンが邪魔なんですよね。きっと。...いや、ちゃんと分かってないですけど。そういうことなのかなと。
とにかく、なんとなくオレンジっぽいインディカの状態で、
外光を完全に遮断してみると、2日で赤色が戻ってきました。
その後、また外光遮断をやめると、たった1日でこの状態。
赤みの写り方は写真のビミョーな撮り方の違いで、けっこう印象が変わってしまうので、あまりこの2枚の写真の全体の色の感じを比較しても意味がないかもしれませんが、頂芽の色を比べてみてください。
外光を遮断している時は、頂芽まで赤いのに、
外光遮断をやめた後は、明らかに頂芽部分が黄色っぽく赤みが抜けてますよね。
気泡の量が違うのは、たんに撮影時間帯が違うからですね。
CO2の添加量・肥料分などの条件は変わっていません。