クリプトコリネ ウェンティ グリーン
サトイモ科クリプトコリネ属。
クリプトコリネの仲間が、育成が難しいとか言われるものも多い中でウェンティは容易と言われています。
これは、多くのクリプトコリネが東南アジア原産なのに対して、これはセイロン島原産のウェンティの改良種ってこととおそらく関係があるのではないかと思う。
多くのクリプトコリネが生息する場所が、極端な軟水で且つ栄養豊富な水であるのに対して、セイロン島の水は中性でGH,KHもそれほど低くはないので、ソイル時代以前にそう言われるようになったのでしょう。
それにもともと、クリプトコリネはある程度こなれた環境でないと上手く育ってくれないというのもありますしね... ...通常はセット時に植える水草ではなくて、少なくとも3ヶ月とか、できれば半年くらい経過した水槽に入れる水草ですね。
もっともウェンティはおそらくセット時から入れても大丈夫だけど。おそらく。
もし葉が溶けちゃったとしても、少し水槽が安定してくれば、また葉を出すようになるし。
こいつは、買ってきた時は綺麗な緑色のカワイイ葉をしているのだけど、比較的強い照明が当たると簡単にかなり暗い茶色になってしまう。
それにちょっとしたことで葉のサイズも20cm以上になったりするし。かなり、裏切られちゃうんですよね。
ところが不思議なのが、何かのきっかけで緑色を取り戻すことがあって、一度緑色を取り戻すと、割と強い光の下でも綺麗な緑色を維持したり...よく分かりません。
植え替えたりすると葉を溶かして落とすことがあります。
水質が変わると一度葉を落として、水質適応しようとするらしい。植え替えたりすると、スグに葉を溶かして消えてしまってあきらめていると、時には半年近く経ってから出てきたりすることもあったりして。...ちょっと感動しますね。
それからソイルの土砂崩れで一部の株を完全に埋めちゃったこともあったのだけど、かなり経ってからそこから出てきたり。
まーとにかく丈夫です。
一度葉を溶かして出てきたところに強い光があたっていると茶色になることが多いような気がする...分からないけど。
茶色になるのはおそらく強すぎる光への防衛反応なのでしょう。
基本的に強い光が当たらない場所に植えてやるべきだと思っています。ほとんど真っ暗ってところでも大丈夫ですね。
長いランナーを底床深くに伸ばして、思いもよらないところから出てきたりする。一度勢いづくと、もう水槽のあちこちから幾らでも出てきて困ってしまったり。
もうこうなると、とても深いところに強いランナーを這わせているので抜くなんて完全に無理で...底床を完全に壊しちゃうので、都合が悪いところに出てきたら、ひたすら葉の付け根からカットし続けるしか無いですね。
クリプトコリネの仲間の殆どは贅沢にも硝酸態窒素の使用能力を失っているか、あまり上手く利用できないと言われているけど、おそらくこいつもそうで、バクテリアが処理した硝酸態窒素ばかりの水だと貧弱な草姿になる...おそらく。
それにそもそもが根からの養分吸収が重要な水草なので、アクアフローラのようなアンモニア態窒素を含む底床肥料を根本近くに入れてやると元気に育ちます。
リセットの時に底床を掘り返すと、クリプトコリネの根ががっちりとアクアフローラを取り囲んで掴んでいたりします。
鉄分の要求量も比較的多いみたいですね。
あと、これは想像ですけど、あれだけ長いランナーを地中深くにどんどん出すのだから、きっとリンもよく消費しているのではないかと思います。...もしかしたらリンをセーブしたら株分かれが少なくなるかも...あくまで想像ですよ。確認したわけじゃないです。
私としては葉が綺麗な緑色を維持してくれている限りは、とても好きな水草です。
この根張りの良さは底床環境維持にもきっと役立ってくれているはずだし。
気中育成すると、サトイモ科特有の花...仏炎苞(ぶつえんほう)が見られるようです。...私は写真以外で見たことがないけど。