給餌量
- 水槽をコケだらけにする。
- 望んでいないのにグッピーやラムズホーンなどが幾らでも増えてしまう。
こんなことが知り合いの水槽とかで起きているとしたら、真っ先に疑うのは「給餌量が多すぎるのではないか?」ってことですよね。
よく分からない人が、エサのパッケージとかに書いてあるような量...数分で食べきれる量を1日に数回やれ...みたいなことをマジメに守ってたら、大抵はエサ過剰になりますね。
アクアリウム関連はこういうことが多くて困ります。濾過槽の掃除とか濾材交換もマニュアル守ってたら、どうみたってやり過ぎで良くないですからね〜。
もちろん、エサは窒素やリンを水草に供給する肥料としての役割もあるので、逆に「エサが少なすぎて水草の成長が悪い」なんてこともあります。
結局これって、水草の量と魚の量をどの程度のバランスにするのか?って話になるわけですが、それでも給餌量で調整できる部分って大きいんですよね。
うちのサブ水槽には、子どもが買ってきたグッピーが入っているんですけど、
ほとんど常に稚魚が見られるっていう状態なのに
グッピーの数はおおよそ常に一定です。
稚魚が生まれただけ給餌量を増やしていけば増えていくのでしょうけど、給餌量は常に一定にしているので、
- 稚魚が生まれても殆ど育たない。
- たまに成魚が落ちると、その隙間を埋めるように成長する稚魚が出てくる。
- 結果的に成魚と稚魚の割合もおおよそ常に一定に保たれる。
ってなります。
ラムズホーンもそうですね。メイン水槽にも入っていますが、決してよくネット上で見かけるような爆発的に増えちゃうなんていうことはありません。増えたり減ったりをしながら、おおよそ一定数を維持しています。
当たり前といえば、極めて当たり前のことですけど、
給餌量が魚や貝やエビなどが繁殖可能な上限を決めている。
ってことです。
もちろん厳密に言えば、施肥量・光量・CO2添加量なども水草やコケと底床内の微生物などの量と関係があるわけですから、これらの魚や貝のエサになるものの量と無関係じゃないわけですが、大雑把に言えば、エサの量次第だということです。
立ち上げてから半年くらいまでならともかく、なにかの生体の数がやたらと増え続けていくっていうのは、もう既にその水槽はバランスを崩しているっていうことです。
もちろん、意図的にブリードしているなら別にとやかく言うようなことじゃないですけどね。
実際の給餌量は、うちの場合、大きくても4cm程度の小型カラシンなどが50匹くらい入っている60cm水槽の方で、この程度を1日あたり1回くらいが標準です。
多めにするか少なめにするかは、コケや水草の状態を見ています。あまりに窒素・リンが不足しているなと思ったらちょっと多めにするという感じです。
もちろん、魚の体格も意識していますよ。痩せてきていないか、逆に太ってきていないかってのは、意識してエサの量を調整しています。魚の写真はFlickrに時々あげていますけど、特に痩せている魚やデブっている魚は居ないはずです。
その水槽の適切な給餌量を探っていく必要がありますね。
- 魚が飢えずに太りすぎずに健康的に育ち
- 水草も窒素不足にならない
- コケも殆ど出ない
というところを探る必要が。
実際にはうちの水槽は窒素不足に陥るので、窒素肥料を入れていたりしますし、綺麗にバランスさせなくても「多すぎ」なければ、他の要素でバランスさせられるわけですけど。
つまり水草に対して餌が少ない=魚が少ないとも言えますけど、これはエサに含まれる窒素:リンの割合は、水草が消費するそれと比べてリンが多めだと考えているので、リンをコントロールするにはエサ由来の肥料分は少なめにしたいということもあります。
なんにしても、水草水槽の場合は施肥でバランス調整ができるので、魚少なめ・エサ少なめのほうが簡単ですよね。
以下、その他 給餌について幾つか要点を並べておきます。
- 立ち上げ期で硝化サイクルが充分に出来ていない時には、エサの量はかなり絞る。
- まとめ食いをさせてはダメ。できるだけ毎日一定の時間帯で給餌を行う。
- 小型カラシンとかの小さな魚にエサをやることを考えると、買ってきた状態のフレーク餌はサイズが大きすぎです。よく砕いて一口で食べられるくらいのサイズにしておきましょう。
- エサの種類は幾つか持っていてローテーションさせた方が良い。フレーク餌を何種類かにたまに生餌とか。魚も同じエサばかりだと飽きるし、いろいろ与えれば栄養の偏りも避けられる。
- 消灯前に給餌しない。消灯すると寝てしまう魚の場合は消化不良を起こしやすくなる。もちろん夜行性の魚の場合は別。
- 水草が生い茂り、底床微生物も各種出ているような状態であれば、1週間程度のエサ抜きも魚の健康にとっては全く問題はない。もう少し長期でも大丈夫なくらい。水草が齧られるとか水草の成長が悪くなるなどの影響は出てくるが。なので、ちょっとした旅行とかであればエサ抜きにするだけ。
但し、稚魚がいる場合は別。稚魚はエサ抜きの影響を受け易い。 - より長期に外出する場合はオートフィーダーを使うが、1回の給餌量はかなり控えめに。またフレーク餌が湿度で固まってしまわないように気をつける。...エアレーションなどで水はねしやすいところを避けて設置する。
- エサは、フレーク餌でも開封後は確実に傷んでいきます。
カビなどが発生していなくても時間が経てば酸化が進みます。普段あげる餌は数週間で使い切るくらいの量を小さな容器に移して使いましょう。残りの餌は冷蔵庫とかで保管。
また、最初にエサを買ってくる時に、1年くらいで使いきれるくらいの容量のものを買うように...出来るだけ少なめのパッケージのものを買うようにしましょう。